ヘリコプター免許取得にかかる費用
2018年7月26日
自家用ヘリコプターでフライトをしてみたい、ヘリコプターを操作する仕事に就きたいときに必須となるのがヘリコプターの免許です。免許を取得することが出来れば自家用のヘリコプターを操縦したり、仕事に役立てることが出来るようになるのです。
そこで免許取得を目指している人に向けてヘリコプターの免許を取るためにはどこくらいの費用が必要で、どのような内訳になっているのか詳しく解説します。
ヘリコプター免許の種類
ヘリコプターの免許の種類は2種類あり、事業用操作士と自家用操作士の免許があります。
事業用操作士はヘリコプターの操縦を仕事として行う人に向けたものです。物資の運搬や人命救助など様々な仕事にも使われています。警察や海上保安庁、マスコミ関連や遊覧飛行などの事業などに活用されているのです。
自家用の操縦士は普通自動車第一種にあたる免許です。国土交通省が管轄する国家資格で、事業に利用したりお金を貰わずに無償で操縦するために必要な資格です。自家用のヘリコプターを運転することができ、家族や知人を乗せてフライトをすることが出来ます。自分自身の判断で操作するもので、ヘリコプターの免許の中では基本的なライセンスとなっています。自家用のヘリコプターが対象となるので、事業目的で操作することは出来ません。
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ヘリコプター免許を取得するためには
ヘリコプターの免許は日本国内でも海外でも取得することは可能ですが、日本で利用するときには海外の免許は国内の免許に切り替えます。事業用のヘリコプターの操縦士の免許を取得するためには、色々な条件をクリアする必要があります。
日本で取得するために最低限必要となるのが、飛行時間です。機長として野外での飛行時間が10時間以上あること、夜間での操縦は5時間以上あることが条件です。また機長としてヘリコプターを操縦した時間が35時間であることも条件の一つになります。野外のフライトでは300キロ以上飛んでいた場合は、途中で2回以上の着陸を1回行うことも決められているのです。夜間でのフライとは5回以上の離着陸をします。さらに計器飛行を10時間行うこと、オートローテーション離陸をクリアしなければいけません。実地テストは日本国内で行われますが、試験を受ける前に国内か海外で自家用のヘリコプターの免許を取得しておくことが絶対条件となります。
技術面での試験の他に身体検査もあり、指定医療機関を受診してヘリコプターを操作することが出来るのかを調べます。視力は裸眼の状態かコンタクト、眼鏡をかけた状態で0.7以上あること、両目では1.0以上の視力が求められるのです。身体検査は年に1回受けることが義務付けられ、毎年更新します。
自家用のヘリコプターの操縦士の免許を取得するためには、国内で定められている飛行時間をクリアします。単独でのフライトを10時間以上、野外でのフライトは5時間以上、教官などが同乗しているフライトでは20時間以上です。野外のフライトは180キロ以上の距離を飛んだ場合は2回以上の着陸をします。
事業用の操縦士免許と同じように身体検査を受ける必要もあり、視力は裸眼の状態か眼鏡やコンタクトで矯正した状態で0.7以上、指定されている医療機関で受診します。
国内スクールで取得するときに必要な費用
国内のスクールを使って日本だけで免許を取得するときには、個人のスキルや勉強に使える時間などによって違いますが約400万円から1,000万円です。学科も含めて訓練期間は半年から1年です。週末を利用して勉強することも可能なので、働きながら所得すれば費用の負担も抑えられます。
自家用の単発の免許なら勉強する日数は60日で、費用は250万円前後です。全ての飛行機の免許の登竜門で、自家用機の訓練をすることで自分の適性も確認することが出来るのがメリットです。国内での取得なら座学は通信教育で行うことも出来るので、さらに費用の節約にもなります。
日本国内のスクールはパック料金になっていることが多いので、決められた時間内に勉強を終えないと延長料金が掛かる場合もあるので注意します。入学前にはスケジュールに無理がないかチェックしてスクールを選ぶようにすると安心です。
海外留学の費用とは?
海外スクールでの取得はスクールの費用の他に滞在費などが必要になりますが、国内のスクールよりも費用が安いので金銭的な負担は少ないです。ヘリコプターの免許が取得出来る国にはアメリカやカナダ、ニュージーランドなどがあります。
アメリカで取得する場合
訓練期間が2か月から5か月程度で、訓練費と滞在費を含めて300万円から450万円です。アメリカは航空機のメーカーや航空機の数が世界一の規模で、エリアによっては気候も安定しているので訓練しやすい環境が整っているのが特徴です。アメリカで滞在する場所はアパートやホテルなどで、最も安いアパートメントは一日の滞在で約3,000円前後。ホテルを選ぶと約7,000円が一日に掛かる費用です。
スイスで取得する場合
入学する航空学校によって費用は異なりますが、約540万円前後となります。日本国内で取得しようとすると全てのカリキュラムをこなし、全ての費用がセットになっていますが、カナダでは自分自身でスケジュールを組むので必要最低限のお金だけで取得出来るのが魅力です。希望者はスクールの会員となるために年会費を支払います。年会費を支払うことで学科の授業を受けたり、フライトの練習の予約をすることが出来るようになるのです。年会費は正会員となると約17,00円、月単位の会員になると月に約1,200円です。フライトをする時には機体をレンタルします。新しい機体や高精度の機体はレンタル料が高くなっていますが、一番安い機体では1万円となっています。
ニュージーランド取得する場合
ニュージーランドの訓練期間は半年から8か月で、実技同乗訓練が1時間で3万円です。自家用のヘリコプターのトータルでの費用は180万前後になります。滞在費用は1か月で約9万円、学科の勉強は自習になるのでお金は掛かりません。
このように、ヘリコプターは身近な乗り物なので免許を取得しやすく訓練の費用も安価になっているのですが、仕事をしている人は一定期間の休暇を取ることになります。海外で取得すると国内の免許に切り替えることになるので、別途費用が掛かるケースもあるので注意が必要です。
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日米で免許を取得
国内のスクールによっては日本とアメリカの両国で自家用の免許と事業用の免許を取得するコースも存在します。基本的な英語力は必要となりますが、アメリカで訓練をすることで費用を抑えることが出来る方法です。
まず費用の安いアメリカで自家用のヘリコプターの免許を取得し、日本に帰国したら事業用の免許を取得する流れです。コースの料金は900万円前後で、訓練の合計時間は約230時間です。
免許取得後の費用は?
自家用の操作士のライセンスを取得した場合には、自家用ヘリコプターを購入することになります。購入すると保険料や点検費、格納料や修理の費用も掛かるので免許を取得してからの最初の1年間は1,000万円くらいを見積もっておきます。
保険料は年間で50万円、燃料代は年間で100時間のフライトになると80万円、点検は100万円です。購入するヘリコプターの値段はピンからキリまであるので、初期費用や維持費も一緒に考えて購入を検討することがポイントです。
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ヘリコプター免許取得に掛かる費用
ヘリコプターの免許に掛かる費用は国内や海外、取得する免許の種類や個人の能力によって違いがあります。国内ではパック料金となっており、入学時にお金を支払えば最初から最後までサポートしてくれるシステムです。
海外は免許取得の環境が日本よりも整っているので費用は抑えられ、短期間の滞在で取得も出来るので費用の負担は軽減されます。