ヘリコプター免許更新費用・条件・方法
2018年8月16日
大空を自由に飛んでみたいと思ったことはありませんか?ヘリコプター免許はその夢を叶えてくれるもので、懸命に取り組んでようやく取得できます。しかし免許は一度取ったら終わりというわけではありません。免許には更新が必要なのです。
ヘリコプター免許の場合、更新費用はどれぐらいかかるのか、またその条件や方法について解説していきます。
ヘリコプター免許の基本的なこと
免許の更新について解説する前に、ヘリコプター免許取得に関係する基本的なことを説明していきます。
免許を取得するには法令で定められた年齢に達していることと十分な航空経歴が必要です。その上で国が行う学科試験と実施試験に合格しなければなりません。学科試験は気象や工学、航法などです。
実施試験は操作技術だけではなく口述試験もふくまれます。試験に受かるだけの幅広い知識と操作技術、要件を満たす飛行時間を得る一般的な方法は、航空会社や民間のフライトスクールなどに入ることです。フライトスクールによって費用ややり方も変わってくるため、自分の条件に合う所をよく探して下さい。
費用を抑えるために飛行訓練をアメリカなど外国で行っている所や、奨学金を出している所もあります。
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ヘリコプター免許の種類
次に免許の種類について説明します。ヘリコプター免許は種類によって費用や免許取得の要件、取得できる年齢、更新にまつわる諸々のことなども変わってきます。違いをしっかりと把握しておきましょう。
ヘリコプター免許には自家用操縦士と事業用操縦士があります。回転翼(ヘリコプター)自家用操縦士は自分の趣味の範囲で飛ぶもので、家族や友達を乗せてフライトすることはできますが、商用には使えません。無償で行うことが条件です。自家用操縦士はヘリコプター免許の基本となるもので、これを取得した後に事業用操縦士へと進む道が一般的となります。
回転翼事業用操縦士はプロとして活動したいならば必要な免許です。自家用操縦士と違い、海外で取得した場合に国内用ライセンスへ書き換えることはできないので注意がいります。国内で活動する場合は国土交通省による国家試験に合格することが必須です。
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ヘリコプター免許取得の要件
自家用操縦士、事業用操縦士ともに取得するにはさまざまな要件を満たさなければなりません。なかでも飛行時間は細かく定められています。
自家用操縦士の場合
- 40時間以上の総飛行時間(その内単独で10時間以上、野外飛行は5時間以上が必要)
- 野外飛行の中では180km以上の距離を飛び、途中に2回以上の着陸をはさんで単独操縦を最低1回行う
- 夜間の離着陸や野外飛行をふくむ同乗教育飛行を20時間以上行う
- 機長として飛行する場合、第2種航空身体検査と航空特殊無線技士免許も取得する(この資格がないと無線を使うことができない)
- オートローテーション着陸も1回は実行する
- 取得できる年齢は17歳以上
事業用操縦士の場合
- 150時間以上の総飛行時間
- 機長として飛行する全時間が35時間以上(うち野外飛行10時間以上、夜間飛行5時間以上)
- 野外飛行は300km以上の距離を飛び途中2回以上の生地着陸が必要(夜間飛行の方は5回以上の離着陸をふくむ)
- 計器飛行を10時間以上
- オートローテーション着陸を最低1回行う
- 機長として運送事業飛行をする場合は航空無線通信士免許が必要。この免許があれば航空特殊無線技士は不要。
- 取得できる年齢は18歳以上。
※オートローテーション着陸・・・ローターをエンジンのトルクではなく、抗力によって回転させて揚力を得ること・緊急着陸の手段
ヘリコプター免許の更新にかかる費用
労力をかけて免許を取得しても終わりではありません。更新をしていかなければせっかく取得した免許でも、飛ぶことができなくなってしまいます。それを防ぐためにも更新について知っておきましょう。今度は更新について解説していきます。
免許を取得した後、2年に1回以上の割合で離着陸時の操縦や、非常時の操縦、知識などを確認する審査(特定操縦技能審査)を受けなければならないようになりました。これは免許を取得した後も技能を維持していくことを目的として平成26年から施行されました。
ヘリコプターの操縦などはできなくなりますが、ライセンス自体が失効するというわけではありません。操縦技能証明書の更新や失効ではないのです。不合格の場合でも再審査を受け合格すれば飛行できるようになります。
費用については、着陸料等の空港使用料、航行援助施設使用料、審査員の審査に関係する手数料や希望の場所に来てもらう場合の旅費などがかかります。審査員に関連する金額については規定がなく、具体的な金額は審査員と調整した上で判断して下さい。
また、航空身体検査も必要で。航空身体検査は国土交通省の指定した医療機関で受ける必要があり、料金は医療機関によって変わります。健康保険が利かないので一般的には3万円ほどです。
ヘリコプター免許の更新条件
ヘリコプター免許の更新には条件があります。今度は条件について説明していきます。航空身体検査は免許の種類によって有効期間が変わり、それに合わせた更新が必要となります。
自家用操縦士の場合
第2種航空身体検査を受けることが決められていて以前は年1回の更新でしたが、平成24年から年齢により変わるようになりました。40歳未満の場合は5年または42歳の誕生日前日までの期間のうちいずれか短期間である方。40歳以上50歳未満の場合は2年または51歳の誕生日前日までの期間のうちいずれか短期間である方。
50歳以上は1年と変更されています。視力は各眼裸眼または矯正で0.7以上です。視力に関しては規定が緩和され、眼鏡やコンタクトレンズの使用も許可されています。他にも聴力や血圧、脳波などを検査します。
事業用操縦士の場合
第1種航空身体検査を受けることが定められていますが、有効の期間がこちらも以前から変更になり年齢によって変わるようになりました。旅客を運送する航空運送業を行っている機体に乗り込んでひとりで操縦する場合は、40歳未満1年、40歳以上6月。ひとりではない場合は60歳未満1年、60歳以上6月となっています。そのどちらも該当しない場合は年齢に関係なく1年です。視力に関しては、各眼裸眼または矯正で0.7以上、両眼裸眼または矯正で1.0以上と定められています。他の検査は第2種航空身体検査と同じです。
ヘリコプター免許の更新方法
今度はヘリコプター免許の更新をするとき、実際にどうやって行えばいいのか解説していきます。
特定技能審査を受ける場合は、審査の日までに余裕をもって技能証明書を地方航空局に請求して下さい。次は「特定操縦技能審査申請書」に関係書類(航空身体検査証明書や操縦技能証明書など)を添付の上、操縦技能審査員へ申請します。操縦技能審査員は国土交通大臣に認定を受けた人を指します。詳細は審査員と調整して行います。これは審査を行う場所などの調整です。
いよいよ審査の実施ですが、原則として口述審査の後、実技審査を行います。天候などで順番を替えるのも状況によってあります。特定技能審査でのやり直しも可能で、審査員、受験者ともに申し出ることはできます。また一度技能審査が不合格になっても、すぐに再審査の申し込みはできるので、平常心を持って恐れずのぞみましょう。
ヘリコプター免許の更新は忘れずに
ヘリコプター免許にまつわる審査や検査の更新は以前と比べて、条件などが変わりました。それはひとえに事故を起こさないようにという徹底した考えのもと、定められています。
免許の更新を忘れないことはもちろん大切ですが、更新の時期まで間があっても技能や知識の維持につとめるようにすることも大切なことです。そのことをしっかりと覚えておくようにしましょう。