選抜高校野球の出場校の決め方は?夏の甲子園との違いも解説

選抜高校野球の出場校の決め方は?夏の甲子園との違いも解説

2023年2月16日

2月1日にプロ野球のキャンプが始まり、WBCが3月8日に開幕、そして3月18日に選抜高校野球(春の甲子園)が開幕します。夏の甲子園と違って選考委員会にて出場校が決定するのですが、どういった選考方法なのでしょうか。

そこで今回はそんな気になる春の選抜高校野球の出場校がどのような決め方で選出されているのか、徹底調査していきます!

選考基準まとめ

選抜高校野球(センバツ)出場校をどうやって選抜するかについて、高校野球連盟(高野連)が定める「選考基準」は以下の通りです。ちなみに、選考会では21世紀枠 → 一般選考枠 → 神宮大会枠の順に決められます。

  1. 大会開催年度高校野球大会参加者資格規定に適合したもの。
  2. 日本学生野球憲章の精神に違反しないもの。
  3. 校風、品位、技能とも高校野球にふさわしいもので、各都道府県高校野球連盟から推薦された候補校の中から地域的な面も加味して選出する。
  4. 技能についてはその年度の新チーム結成後より11月30日までの試合成績ならびに実力などを勘案するが、勝敗のみにこだわらずその試合内容などを参考とする。
  5. 本大会はあくまで予選をもたないことを特色する。従って秋の地区大会は一つの参考資料であって本大会の予選ではない。

選抜高校野球の出場枠

センバツの運営委員会は地区ごとに出場校の枠を割り振っていきます。例年、出場校は28校ですが、今年は第95回の記念大会(回数の末尾が0か5の大会)のため東北、関東、東海、四国に1枠ずつ計4枠増えて32校が選出されています。

①北海道

③東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)

※⑤関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨)

※①東京

③東海(静岡、愛知、岐阜、三重)

②北信越(長野、新潟、富山、石川、福井)

⑥近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)

#②中国(鳥取、島根、岡山、広島、山口)

#③四国(香川、徳島、愛媛、高知)

④九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

※印合わせて⑦…関東5校と東京1校を決めた上で、両地区合わせて残り1校を決める

#印合わせて⑥…中国2校と四国3校を決めた上で、両地区合わせて残り1校を決める

「何らかの事情」で出場校が出られなくなったときのために「補欠校」が同時に選出されるのも春の特徴です。これは選考材料となる秋の地区大会から春本番の3月下旬まで期間が長いことが背景にあります。

センバツならではの選出、21世紀枠とは

センバツといえば、一般選考枠に先だって発表される「21世紀枠」が特徴です。2001年から導入された制度で、主催の毎日新聞は「勝敗にこだわらず多角的に出場校を選ぶセンバツ大会の特性を生かし、技能だけではなく高校野球の模範的な姿を実践している学校を選ぶ」とうたっている。

選出については、秋季都道府県大会で16強以上(加盟129校以上の都道府県は32強以上)の高校が対象で、

  • 少数部員、施設面のハンディ、自然災害など困難な環境の克服
  • 学業と部活動の両立
  • 近年の試合成績が良好ながら、強豪校に惜敗するなどして甲子園出場機会に恵まれていない
  • 創意工夫した練習で成果を上げている
  • 校内、地域での活動が他の生徒や他校、地域に好影響を与えている

こう入ったことを理由に各連盟から推薦されています。

これまでに61校が選出されていますが、13年出場の土佐高校(高知)以外はすべて公立校です。

ちなみに、この61校のうち、初戦を突破できたのはわずか14校にとどまっています。これは「地域のボランティア活動」や「県内屈指の進学校」など、野球と関係ない評価で出場することもあるためで、21世紀枠での出場校は実力を低く見られがちです。

春と夏の違いは?

夏の正式名称は「全国高等学校野球選手権大会」で、各都道府県ごとの地方大会(東京は東西に、北海道は南北に分かれるため、出場校は49代表)の優勝校が自動的に出場権を獲得します。

一方で春は、地区ごとの大会の結果を参考に選考委員会が出場校を「選び抜く」ことになっており、名称も文字通り「選抜高等学校野球大会」となっています。

夏は各都道府県から少なくとも1校、計49校が甲子園のグラウンドにたちますが、センバツは、出場校数が夏に比べ少ない上に、「選び抜く」という独特の選考過程もあり、都道府県によって出場校が複数だったりゼロだったりという差が生じることもあります。

直近の10年間では、出場枠が1枠ある北海道、東京を除き、10年連続で出場しているのは大阪のみで、新潟は1年、秋田、富山、佐賀は2年しか出場していません。18年大会では滋賀から3校(近江、彦根東、膳所)が出場した。

「選抜」であるからこそのトラブルも

昨年の第94回大会の選考で、前年の秋季東海大会で準優勝した聖隷クリストファー高校(静岡)が選出されず、ベスト4の大垣日大高校(岐阜)が選出されたことが、物議をかもしました。

事は次第に大きくなり、署名運動も起こり、有識者からも異論を唱える声が続出。さらには国会でもこの問題が取り上げられるほどでした。

ちなみに、過去20年余りを振りかえると、歴代優勝校のなかで秋の明治神宮大会を制して春センバツを制した学校は1998年横浜高校、2002年報徳学園高校のみとなっています。近年高校野球界を席巻する大阪桐蔭高校でも成し遂げていない難しい記録のようです。

最後に

今回は選抜高校野球大会の選出方法についてまとめてきました。

夏とは違い、21世紀枠などで、なかなか県大会を勝ち抜くことが難しい地区の学校にはチャンスがあります。一方で、選考基準が曖昧なところがあることで様々な課題も多く残っているようです。

出場する選手たちはできる限りのプレーをしてもらいながらプロの世界へ羽ばたいてもらいたいですね!

レジブロでもタメになる記事を配信中です。気になる方はあわせてチェックしてみて下さいね。

Comments are closed.